日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2022年11月21日読んだ本の内容を5分で伝える話し方とは?

★本の感想を5分間で話す


皆さんは、職場の朝礼などで読んだ本をもとにスピーチをしたことはありますか? そういう経験をした人は多くないと思いますが、今、あなたがそういう依頼をされたとしたら、どのように感想をまとめるでしょうか。
少し前にベーシックコースを受講していたKさんは会社の接客部門に所属していました。その部門ではオンラインで勉強会を頻繁にやっているそうです。その勉強会でKさんが5分間の発表をすることになりました。テーマは接客に関する本を読んでその感想を述べるというものです。私はKさんから「本は読んだのですが、250ページもある内容をたった5分でどのように話せばいいのか全然イメージできないんです」と相談を受けました。



★まず話す目的を考える


この相談を受けて私がまず考えたことは「この勉強会の目的は何だろう?」ということです。
接客部門の勉強会ですから「お客様にどのように接するべきか、サービスをどのように提供すべきか」ということを学ぶことが目的でしょう。では、この「学ぶ」というのは具体的にどういうことか。私は常々、研修やセミナー、勉強会などは、参加した後に学んだことを実行することが大切だと思っています。具体的な行動につながらない学びは価値がないからです。なので、私はこの勉強会の学びは参加者が勉強会終了後「今度これをやってみよう!」と思えるものを一つだけでも見つけることだと考えました。Kさんの発表を聞いて何人かが「今度これをやってみよう!」と思えるような発表にできれば成功では、と考えたのです。



★Kさんへのアドバイス


ここまで考えて、私はKさんに次のようにアドバイスしました。
「その本の中でKさんが印象に残っている箇所があると思います。本のすべての内容を要約するのではなく、その印象深い箇所だけを取り出して材料にしましょう。そして、その箇所が印象に残ったということは、Kさんが過去にそこに書かれていることに関連した体験をしているはずです。その体験を話ながら、選んだ箇所に書かれていることが改めて大切だと思った、という話をすれば、他の人の共感を得られ、また学びになるのではないでしょうか」


私が、Kさんの体験談を交えた話にするようアドバイスしたのには理由があります。聞き手が「今度それ、やってみよう!」と思うには、話に共感してもらうことが不可欠です。そして、共感してもらうにはKさんの体験談と本の内容をつないで話すのがとても有効です。体験談を交えると、ストーリー性のある話になり聞き手が頭の中で映像化できて、その話を踏まえた自分の行動をイメージしやすくなるのです。



★アドバイス内容はカリキュラムそのもの


ところで私が行ったアドバイスは、日本話し方センターのカリキュラムを応用したものです。各コースでは2分間のスピーチ実習があります。2分間はとても短いので余計なことは一切言えません。その代わり大切なことは聞き手が頭の中にイメージできるくらい具体的に話さねばなりません。そのためにはスピーチに取り上げた話題全てを話すのではなく、一場面をピックアップしてそこだけを具体的に話すのです。私はこの手法を応用してKさんにアドバイスしたのでした。
幸い、Kさんは私の上のアドバイスを聞いて「何を話せばいいか、イメージが湧いてきました!」と笑顔で言ってくれました。



★話し方を体系的に学びませんか?


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーのカリキュラムは、あらゆる場面で話す際に応用できる内容がふんだんに盛り込まれています。また、Kさんの例のように受講生がお仕事やイベントなどで直面しているお悩みにも担当講師が相談に乗っています。追加料金などは頂戴しませんので受講された際はぜひご相談ください!

>横田章剛のブログTOP